お金で本当に幸せは買える? お金と幸せの科学

あなたは今幸せですか?

幸せになるには、お金持ちにならないといけない。そう思ったことはありませんか?

実は、その答えは半分当たっていて、半分外れています。

 

人間の幸福度は、遺伝的要因(生まれてきてからかわらない要因)が50%、環境が10%、意図的な行動が40%です。

つまり、外の環境(年収や住宅環境など)では、あなたの幸福度は10%しか影響しないということです。

 

ただ、ここには、大きな落とし穴があります。

意図的な行動は環境(最低限の衣食住ができているか、いないか)に影響されることが多いからです。

 
貧乏であると、家賃、携帯代、電気・ガス・水道などの毎月の支払い、最悪の場合、これからの食費をどう支払うかを常に考えつづけていなければいけません。まさにお金のこと以外を考えられない状態です。

こうなると当然、幸せの40%を決める意図的な行動をとることが難しくなります。

意図的な行動とは、自分のやりたいことを実現すること、好きなこと、趣味、日々の生活に感謝する時間を持つなど、自分が主体となって行う行動のことです。

 

毎月の支払いに追われている人は、自分が主体となって行う行動に注意を向ける、集中することができなくなり、結果、意図的な行動を行うことができずに、自分で変えられる40%の幸福度を最大化できないことが多いです。

 

つまり、幸福度を決める10%の環境が、40%の意図的な行動を巻き込み、自分で変えられる要素(環境、意図的な行動)を合わせた50%の幸福度が低い状態になることが多いです。

 

このように、お金について考えれば、考えるほど人は不幸になるということが心理学では常識となっています。

 

逆に言えば、幸せに生きるには、お金について考えないことが一番重要です。

それでは、お金について考えない理想の経済力とはどのくらいなのでしょうか?

 

アメリカでは年収7万5000ドル、日本では年収800万円を超えると幸福度はほとんど上昇しなくなることがわかっています。アメリカと日本で幸福度が一定になる金額はほとんど変わりません。面白いですよね^_^

  

800万円というのは1人あたりの年収です。家族の場合は世帯(専業主婦家庭なら夫)の年収が1500万円を超えると幸福度はほとんど、上がらなくなります。

この世帯年収は、毎月決まった金額を貯金でき、子供を塾に行かせることができ、月に1回は夫婦で外食、年に数回は旅行に行くことができる金額です。

これらの生活経費をクレジットカードで支払っている場合は、お金について考える時間、心配する時間があまり無くなります。つまり、自分の好きなことや趣味についての時間が使えます。

 

それでは、どれくらいまで資産を貯めれば、完全にお金について考えることから独立できるのでしょうか?

 

 答えは、金融資産1億円です。

お金と幸福度のアンケート調査によれば、金融資産が1億円を超えると幸福度が増えなくなることが示されています(大竹文雄白石小百合、筒井義郎編著『日本の幸福度』日本評論社

 


1億円の資産があると、不動産や株式などの資産で自分が働かなくても、ある程度一定のお金が毎月入ってきます。いわゆる不労収入ですね。

こうなると、お金について考える時間はさらに少なくなります。自分の好きなことだけをする時間がさらに増えます。

 


これが、お金のことについて考えることから完全に「自由」になると、それ以上収入が増えても幸福度は変わりません。

 

 

しかし、あなたはこう思うかもしれません。
「そうは言っても、やっぱり年収も資産も上がれば、上がるほど、お金について考えることがなく、幸せになるんじゃないかと。」

 


「金持ちだからといって、それで得することはあまりない」

これは誰の言葉でしょうか?

これはマイクロソフトの創業者のビル・ゲイツ氏の言葉です。彼は、いつも世界の長者番付のトップ3にランクインしています。

なぜ、彼のようなお金持ちがお金を持ちすぎることを嫌がっているのでしょう?

 


お金を持ちすぎると、自分が関わりたくない人から注目されたり、多すぎる資産を失うリスクを考えなくてはいけないからです。
つまり、お金のことや、お金が原因で起こる問題について考えることに時間を取られてしまうからです。

 

幸福の10%を決める環境(お金を失うことについて心配すること、周りから注目を浴びすぎて気になってしまうこと)が幸福の40%を決める意図的な行動(自分のやりたいビジネスの事業、慈善活動、家族と旅行することなど)に影響を及ぼしています。

  

ですから大富豪のビル・ゲイツは、早い時期から「金持ちで得することはあまりなく、自分の子どもたちに大金を残したとしても彼らのためにならない」と明言して、社会福祉財団を立ち上げました。

 

もっとも成功した投資家で、ゲイツに次ぐ大富豪であるウォーレン・バフェットは、死後は財産のほとんどをゲイツ財団に寄付することを決めています。

 

フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグも、時価総額450億ドルといわれる保有株の99%を慈善事業に寄付すると発表しました。彼らはきわめて賢いひとたちなので、お金を社会に還元して評判=名声と交換した方がずっと幸福になれるということに気づいているのです。

 


あなたは次にこう思うでしょう。
「でも、年収をアップさせるのって大変だよね?幸せになるのに、年収や資産をあげることが難しいよ。年収が低い間はどうしたらいいの?」

あなたが思うように、 お金がないと本当に幸せになることはできないのでしょうか?

 

自分で人生をコントロールしていると思うと、考えると、人間の幸福度は増します。

 

現在、会社に勤められている方も、バイトで生計を立てれている方、自営業をされている方全てに当てはまります。

 

では、どうしたら、自分の人生のコントロール感を高め、年収を上げることができるでしょうか?

 

それは、自分のプロフェッション(好きなこと)を実現できるニッチを見つけることです。自分の好きなことを追求していれば、年収が低い間も自分の好きなことに時間を使って過ごしているという実感をもとに、毎日を生活することができ、幸福度が上がります。やりがいのある充実した人生を送ることができるでしょう。

 

そのためん、あなたは、自分の好きなことを追求し、専門性を活かせる環境を作ることが一番重要です。

 

現在どれだけ年収が低くてもあなたの幸福度の40%を決める「意図的な行動」が最大化され、あなたは幸せに感じ、かつ前向きに行動できます。しかも、あなたの専門性が高くなればなるほど、高額で仕事を受けることができます。まさに、上昇スパイラルに乗れます!!!

 

では、具体的に、どのように上昇スパイラルの環境を作っていけば良いのでしょうか?

 

すでに仕事ができる専門性のある方は、

専門性の活かせる会社で働く、フリーランスとして働く、複業すると良いでしょう。

 

逆に、これから専門性を高める必要がある方は、

好きなことをやってみて、自分のやっていることが発信できるブログや動画のメディアで発信することが一番あなたの人生を豊かにするでしょう。

 

現在は、会社で勤務されている方もいずれは、独立して仕事ができる状態に備えておくのがベストな選択肢と言えます。

 

それは、なぜか?現在は人生100年時代と言われており、長期的に仕事をすることが必要になります。

 

リンダ・グラットン教授の著書『LIFE SHIFT』に引用されている研究では「2007年に日本で生まれた子供については、107歳まで生きる確率が50%ある」とのことです。

日本は健康寿命が世界一。超長寿社会においてあなたが幸せに好きな仕事を継続していくことが求められているのです。具体的には、70歳超まで働くことを想定し、独立した立場での職業を考えることで、活躍の場を確保できます。

 

 

実際に、現在は、段々と組織から、個人へとパワーがシフトしてきています。

億単位の年収を得ているインフルエンサーや、youtuber、ネット事業の個人事業主の数がどんどん増えてきています。

 

フリーランスの経済規模が初の20兆円超となっています。ランサーズ株式会社は、全国の20-69歳男女(3,096人)を対象に、国内初・2018年で4度目となる「フリーランス実態調査」を実施しました。

 

調査では、日本における副業・兼業を含む業務委託で仕事をする広義のフリーランスの経済規模が、初の推計20兆円を超える結果になりました。フリーランス人口においては、1,119万人、人口に占める割合は17%となっています。

 

 

フリーランス人口においては、2015年の9131万人➡︎2018年の1,119万人、人口に占める割合は2015年の14%➡︎2018年の17%にもなります。

 

アメリカの調査では、2027年にはフリーランス人口がノンフリーランスの人口を超えるという結果も出ており、今後日本においてもフリーランスの人口が伸びる余地が見込魔れています。

 

過去4年間の成長率は22.6%とアメリカの8.1%という増加率の約3倍もあり、いずれはアメリカのように、フリーランス人口がそれ以外の人口よりも多くなるでしょう。

 

 

ここまでまとめると、好きなことを追求➡︎専門化・コンテンツ化➡︎個人事業主フリーランス、スモールビジネスのオーナーとして専門性を販売する

 

 

これが、幸福度を最も効率的に最大化する方法になります。

 

人生のどこかの時点で組織の外に出て、知識や技術、コンテンツのちからで大組織と取引する「フリーエージェント」化が、高度化する知識社会の基本戦略になるでしょう。

 

人生100年時代と言われる現代で、定年によって、誰もがいずれは 会社という組織から出る運命です。また、終始雇用を前提としていない会社が増加しています。

 フリーランスの人口が伸びているのは、必然です。

 

 もし、あなたが、生活がギリギリできる年収だとしても、大丈夫です。安心してください。年収が低い間も、あなたが、好きなこと・追求できることを行う時間を作り、毎日継続して習慣化し、それをアウトプットしていれば、いずれビジネスになります。

 

一度きりの人生です。前を向いて幸福度を最大化しつつ、年収も上げ、100年間を生き抜きましょう!^_^

 


参考文献
「幸福の資本論橘玲
「日本の幸福度」大竹文雄白石小百合、筒井義郎編著

「LIFE SHIFT」リンダ・グラットン