直感は本当に正しいのか?直感を信じすぎると危ない?直感の信頼度がわかる3つのクイズ

あなたの直感は本当に正しいのか?

 

を証明する画期的な方法をお伝えします。

次の3つの質問に答えましょう^_^

 

1. バットとボールの値段は合計1.10ポンド。バットがボールよりも1.00ポンド高い場合、ボールはいくらになるでしょう?

 

2. 5台の機械を5分稼動させると5個の製品が作れる。では、100台の機械で100個の製品を作るとしたら、何分かかるでしょう?

 

3. ある湖に浮かぶ「スイレンの葉」は毎日2倍に増える。スイレンの葉が湖全体を覆うまでに48日間かかります。では、スイレンの葉が湖の半分を覆うまでに何日かかりますか?

  簡単でしたか? もしあなたの回答が、

1. 10ペンス(0.1ポンド)
2. 100分
3. 24日

 

だとしたら、冷静に考えてみましょう。これらは全て不正解です!

 

 正解は、

1. 5ペンス(0.05ポンド)

 直観的に合計1.10ポンドからバットの値段1ポンドを引いた0.1ポンドをボールの値段と答えがちであるが、もしボールが0.1ポンドだったら、それより1ポンド高いはバットは1.10ポンドとなり、合計は1.10+0.10=1.20ポンドとなってしまう。

 これは中学校の数学で習う1次方程式を用いて考えれば容易く解ける問題だ。もしかしたら、大人よりも中学生の方が正答率が高かったかもしれない。

 ボールの値段をXとすると、バットの値段はX+1

 バット+ボール=X+(X+1)=1.10

 これを解くと、

 2X+1=1.10 → 2X=0.10 → X=0.05

 ボールの値段は0.05ポンドであることが分かります。


2. 5分

1台の機械が1つの製品を作るのに5分かかると考えます。すると、100台の機械が100台の製品を作るのに掛かる時間ももちろん5分です。


3. 47日

 スイレンの葉は1日で2倍になります。48日で湖全体が覆われたならば、1日前に湖の半分が覆われていたということです。

 

全問不正解でも、安心してください。

ハーバード大学マサチューセッツ工科大学(MIT)など、アメリカの名門大学の学生3428人に対し同じテストを行ったところ、全問正解した学生はわずか17パーセントです。

 

では、なぜ、頭の良い人たちを始め、私たちがこのような間違いをしてしまうのでしょうか?

 

ノーベル賞を受賞した行動経済学者・心理学者のシェーン・フレデリック氏によると、人間の認知には直感的な「システム1」と、より慎重に物事を分析する「システム2」が具わっており、システム1に従うと、先述したよくある間違いを犯してしまいます。

 

システム1
自動的に高速で働き、努力はまったく不要か、必要であってもわずかである。また、自分のほうからコントロールしている感覚は一切ない。(自動的、速い、連想的、感情的)

システム2
複雑な計算など頭を使わなければできない困難な知的活動にしかるべき注意を割り当てる。一連の段階を踏み順序立てて考えを練り上げる。(努力を要す、遅い、意識的、規則的、客観的)

 

人間が、人が複雑な問題解決等のために何らかの意思決定を行う際、暗黙のうちに簡単な方法「システム1」で解決しようとする法則のことを「ヒューリスティック」と呼びます。基本的には、システム1はヒューリスティック的な思考(これまでの経験や知識をもとに直感的に判断する)であり、システム2は合理的・論理的な思考です。

 

心理学・行動経済学の主要なテーマはシステム1です。良く言えば直感ですが、おっちょこちょいの早とちりとも言えます笑

 

大きな決断をする時には、一度立ち止まって考え、システム2を使って考えるようにしましょう^_^

 

参考文献、参考講義

The University of Queensland
MOOCのThe science of everyday thinkingの講義

ファスト&スロー ダニエル・カーネマン