座りすぎると危険?1時間に22分寿命が縮まる?あなたのできる簡単対策法!

あなたは電車に乗るとき、イスに座ろうとしませんか?

実は、その習慣は危険です。
現在、座ることによる深刻な健康被害の研究結果が出ています。

 

座りすぎは喫煙と同様に健康に有害であり、長く座った後で激しい運動をしてもバランスを取ることはできません。長く座りすぎることと健康上の問題の間には関連性があります。例えば糖尿病、高血圧、ある種のがん(特に女性の場合)、不安神経症、そして早死にする確率の増大です。

 

実際の研究結果を見てみましょう。

 

座りすぎによる健康被害の研究例

 

2010年、サウスカロライナ大学のスティーブン・ブレア教授らは、驚くべき研究成果を発表しました。
8000人の健康な男性を、21年間もの長きにわたり調査したところ、なんと運動をしているにもかかわらず、テレビをみたり車通勤をしたりと、座っている時間が長い男性ほど、心臓病による死亡リスクが高かったのです。

 

イギリスは2011年に座りすぎのガイドライン(英国身体活動指針)を作成。その後も継続して「就業時間中に少なくとも2時間、理想は4時間、座っている時間を減らして、立ったり、歩いたりする低強度の活動にあてるべきである」と勧告しました。

 

また2012年、シドニー大学のエイドリアン・バウマン教授らは、22万人の対象者を3年間調査したところ、一日に合計して11時間以上座っている人は、どれだけ運動をしていようがいまいが、3年以内に死亡するリスクが40%も高かったと報告しています。また、一日に合計して8~11時間座っている人は、座る時間が4時間以下の人に比べて、死亡するリスクが15%高かったそうです。
オーストラリアでは官民一体となり、テレビCMで「脱・座りすぎキャンペーン」の動画を流して座りすぎの危険性を広めています。

 

同年にWHO(世界保健機関)座りすぎが喫煙や偏った食生活、アルコールの飲みすぎと並んで肥満や糖尿病、高血圧症、心筋梗塞脳梗塞、がんなどの病気を誘発し、世界で年間約200万人の死因につながっている、と発表しました。

さらに、ブラジルのサンパウロ大学の研究者らは16年、「世界54カ国で年間43万人を超す人が、座って過ごす時間が長すぎることが原因で死んでいる」と、WHOよりも直接的な表現で発表しています。

 

なぜ、座りすぎは健康によくないのでしょうか?

 

そんなトピックに、デスクワークなど座り仕事の人の中には、ドキッとした方もいるのではないでしょうか?人生100年時代と言われる現代で、健康寿命を伸ばすことは大切です。あなたも、できるだけ長い間健康でいたいですよね?

 

そこで今回は、「健康的な仕事術とライフスタイルの確立」をテーマに

・座ることと寿命の関係
・賢い座り仕事術
・立って仕事をするための裏技
について紹介します。
 


働きすぎの日本人は、世界で最も長時間座ってる?


世界的に見ても、勤勉で働きすぎと言われる日本人。
ほかにも通勤電車に座っている時間が長い、テレビを見ている、などの理由も考えられるでしょうが、シドニー大学が世界20カ国を対象に平日の座っている時間を調査した結果、最も長く座っているのが日本人です。
 
ちなみに、世界20カ国の平均は、約5時間(300分)に対し、日本人(成人)は、約7時間(420分)。
アメリカや中国が250分程度であることと比較するとかなり長時間であることがわかります。
 


1時間座り続けると寿命が22分短くなる?


上記の座り続けるリスクを時間に換算すると、1時間座り続けると22分寿命が短くなるという計算になります。
 
原因は、一言でいえば、座ったまま動かないことによる弊害。人体の筋肉の中で約7割を占める足の筋肉が動かないため、血流が滞り、代謝機能が低下するからだと言われています。それが積み重なり、長期化すれば全身が巻き込まれて、糖尿病、高血圧、脳梗塞、心疾患、がん、さらにはうつ病認知症などあらゆる病の引き金となるとされています。

 

どうしたら座りつつ、健康でいられるのか?

 

それでは、どのように、血流を良くすれば良いのでしょうか?

具体的にあなたの健康を改善する方法をこれからお伝えします^_^

 


解決法①30分に1回立ち上がる。

 

一番、簡単な方法は、長時間、座りっぱなし=動かない状態を作らないことです。
具体的には、定期的に立つ、歩くといった動きをすることです。
理想は、30分に1回、立ち上がること。それが難しい場合は、1~2時間ごとに10分程度、軽く動くだけでもリスクを軽減することはできるそう。
意識して、トイレや休憩に立つ、コピーを取りに行く、スタンディングデスクで仕事をしてみる、歩くなどこまめに立つことを取り入れてみましょう。
 
集中して、つい時間を忘れがちな人は、スマホのタイマー機能などを使い、30分ごとにプチ休憩を入れるのも良いでしょう。
 
解決法②足を動かす。レッグタップを取り入れる。


なかなか立つこともできない職場環境であれば、座ったまま足を動かすだけでも有効です。
足首を回してみたり、伸ばしてみる、かかとを上下させる、膝を上げてみる、足を上げるなどをやってみると、足の筋力を使ったり、血の巡りがよくなります。

足を動かす動きで、一番おすすめなのは、レッグタップです。

スタンフォード式疲れない体 [ 山田知生 ]」という本で紹介されているストレッチ法です。

 

踵をゆっくり15秒かけて上下
つま先をゆっくり15秒かけて上下

こうすることで疲労物質の滞留を防ぐことができます。


レッグタップのやり方の図はこちら⬇︎

 

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レッグタップのやり方



 
このストレッチのいいところは血行をよくして滞留物を流すだけでなく、前脛骨筋と呼ばれる筋肉を鍛えることもでき、歩く時の姿勢がよくなります。
姿勢がよくなることで、歩きからくる下半身の疲れも軽減させることが出来、一石二鳥です!
 
地味ですが、足の筋肉がしっかり伸びることを実感できると思います。
高い効果が期待できる運動ですので、長い会議やデスクワーク時は必ず実施しましょう。

 

解決法③水分補給をする


座りっぱなしは水分不足になりやすく、これが血液の循環を悪くします。
コーヒーや紅茶などカフェインの多い飲み物は利尿効果が高いので、他にミネラルウォーターを飲み、水分不足を防ぎましょう!

 

解決法④スタンディングデスクを導入する。
 
会社でデスクしか置いていない場合は、デスクの上に置くことができるタイプのスタンディングデスクを用意しましょう。
こうすれば、今あるデスクスタンディングデスクに変えられます。
高さ調整可能なものを選びましょう^_^

あなたの健康はあなたが守るしかないのです。


また、スタンディングデスクは決して一部のマイノリティが行なっているわけではありません。スタンディングデスクをど運用している会社は世界中でどんどん増えてきています!

 

世界では、今や社員がズラリと立ってパソコンに向かう光景は今や当たり前になり、「デスクワークは立ってするもの」という従来の価値観が塗り変わってきています。

 

オーストラリアや北欧では立ち机の導入は話題にならないくらいで、中には「決して座らない」覚悟で椅子をゼロにしたオフィスもあるほどです。

 

シリコンバレーにあるIT企業を中心に、立ってデスクワークをするスタンディングデスクが浸透しています。一部のベンチャー企業だけが導入しているわけではなく、グーグルやフェイスブックでも、多くの従業員がデスクを立ち机に変えるほど一般的です。

 

日本でも、三菱商事、日本マイクロソフト、グーグル日本法人といった超大手や有名外資の企業でも立ち机を導入し、ワークススタイルの見直しを始めています。

 

先進的かつ大規模に座りすぎ対策を始めた楽天では、本社が新社屋に移転するのを機に従業員の机を一新。昇降式のデスクを約1万3000台導入しています。鉄鋼商社のメタルワン、通信ケーブルメーカーのフジクラでも、昇降式のデスクを設置し、立ってデスクワークが日常的にできるようサポートしています。

 

 最近では家電製造で存在感が大きいアイリスオーヤマは、一部の拠点で「座った姿勢でのパソコン使用を禁止する」と発表。パソコンを使用する際は、専用のスタンディングテーブルへの移動をルール化するという徹底ぶりで話題を呼んでいます。

ぜひ、あなたも上記の対策法を実践して、健康的な生活を送ってください。健康寿命を伸ばし、一度しかない人生を謳歌しましょう!

 

【参考文献】

・岡浩一朗:早稲田大学スポーツ科学学術院教授「長生きしたければ座りすぎをやめなさい」

・トム・ラス「座らない!成果を出し続ける人の健康習慣」 
・米国アルツハイマー協会の専門誌「Alzheimer’s&Dementia」

http://www.trci.alzdem.com/article/S2352-8737(17)30025-2/fulltext

世界保健機関(WHO)「健康のための身体活動に関する国際勧告』

http://WHO | Global recommendations on physical activity for health

 ・西オーストラリア大学の科学者による解説:「The Conversation」の記事

https://theconversation.com/could-too-much-sitting-be-bad-for-our-brains-79413